「Power Automate Desktop」とは
「Power Automate Desktop」はMicrosoft社が提供するRPAツールです。RPAはパソコン上の事務作業を自動化する技術のことを言い、多くのツールが有料で提供されている中で、「Power Automate Desktop」はWindows10以降のユーザーであれば無料で利用できるところが大きな特徴です。このページでは「Power Automate Desktop」についての概要を説明します。
→RPAについては知りたい方はこちら1. 歴史
ここでは「Power Automate Desktop」の歴史について説明します。とは言いいつつ、「Power Automate Desktop」は「Power Automate」というインターネット上で利用するクラウド型のRPAツールの一機能として提供されていたものですが、「Power Automate」自体が2019年11月にサービス開始されたものなので、歴史というにはちょっと大げさなものかもしれません。
「Power Automate Desktop」は2020年5月にMicrosoft社に買収されたSoftomotive社の「WinAutomation」というRPAツールがベースになっています。ただSoftomoitive社は2005年に設立されており、RPA業界の中では歴史のある企業です。「WinAutomation」は価格が安く機能も充実していたため、世界中で利用されていました。それをベースに開発されたので、「Power Automate Desktop」は無料でありながら非常に高い機能を備えることができています。
また、サービスを開始した直後は、「Power Automate」の一機能として有料で提供されていましたが、2021年3月から無料で利用できるようになりました。最新のWindows11では標準搭載されるようになりました。
2. 特徴
個人のパソコンで実行するデスクトップ型のRPAです。Windows10以降の環境で動作します。他のRPAツール同様にプログラミングの知識は必要なく、ドラッグ&ドロップで直観的に操作することが可能です。RPAは人間が画面を見てキーボードを叩いたり、マウスを動かしたりするのと同じように操作を行いますが、その操作はひとつひとつ正確に指示してあげる必要があります。なので、Webサイトが更新されてボタンの位置やテキストボックスの位置が変わったりするとうまく認識できず動作がしなくなることがあります。一方で、画面ベースで操作を行うので、アプリケーション間やウィンドウをまたぐ操作を簡単に行うことができ、プログラムを書き換えるようなこともしないので、基幹的なシステムに影響を与えるようなことはありません。
また、Microsoft社から提供されている製品なだけに、一般のメールやアプリ操作とは別に、ExcelやExchange、Outlookなど他の同社製品を操作するための個別の命令が用意されています。
3. 価格
価格は有料と無料で2種類あります。無料版は公式サイトか、Microsoftストアからダウンロードできます。
有料版はクラウド型の「Power Automate」のライセンスを利用して使うことができます。「Power Automate」にはいくつかの有料プランがありますが、アテンド型RPAのユーザーごとのプラン(4,350円/月)で「Power Automate Desktop」は利用できます。有料版を利用することにより、①特定の時間や条件で自動処理を実行することができる、②エラーの履歴を見ることができる③複数のパソコンで処理を振り分けることができるなどのメリットがあります。
以上、「Power Automate Desktop」の簡単な概要でした。詳しい操作について知りたい方は下記リンク先から知りたいアクションをクリックしてください。
→「Power Automate Desktop」の操作について学ぶ執筆者プロフィール
伊藤 丈裕
(株)サムテックのシステムエンジニア。応用情報技術者資格保有。
27歳の時、営業から完全未経験で転職。開発とWebマーケティングを担当。得意言語はJavaとJavaScript。